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サッカー日本代表の本田不要論と世代交代について

サッカー日本代表の本田不要論と世代交代について思うこと

サッカー日本代表 世代交代

今回の2連戦はサポーターの関心もメディアの関心も、これまでの最終予選とは大きく異なっていたのではないかと思う。

サウジアラビア、オーストラリア、UAEと僅差の勝ち点で出場権を争っている状況でありながら、煽り方としては勝敗よりも下記の2つにフォーカスが向けられていたように感じる。

・本田、長友などの長年日本代表を引っ張ってきた選手と、大迫や久保など所属チームで活躍する選手の世代交代

・キャプテン長谷部の穴埋め、そしてボランチの代役不足

もちろん、ネットではいつものように本田と香川のサポーター同士の批判が活発に行われていたが・・。

本田、長友などの長年日本代表を引っ張ってきた選手と、大迫や久保など所属チームで活躍する選手の世代交代

本田、長友などの長年日本代表を引っ張ってきた選手と、大迫や久保など所属チームで活躍する選手の世代交代

UAE戦では2‐0で見事に雪辱を晴らしたサッカー日本代表。

選考発表前から各メディアで注目されてきたのは、南アフリカワールドカップ以降、サッカー日本代表の中軸として活躍してきた「本田」と「世代交代」という言葉だったように感じる。

スター選手なだけに注目を集めるのは当然だと思うが、本田(香川、長友、岡崎)落選・ベンチスタート=世代交代というメディアの作り上げた図式には違和感しか感じない。

選手個々のコンディション、対戦相手やチーム全体のバランス次第でスタメンを外れることがあれば、落選することもあるのが本来の在り方なのだと考えている。

同時に限られた代表での練習の中でチームのスタイル、ルールを確立し、連携を磨くためにある程度選手を固定する必要もあるが、ハリルは下記の発言の通り、これまでもコンディションを重視して選考を進めている。

「チームの強みは組織スピリットだ。何人かはトップパフォーマンスではない。信頼して使い続ける監督もいるでしょう、怪我をしていたとしても。ただ、私は躊躇なくより良い選手を選びました。そしてプレーしました」

つまり、本田がミランで全く出場機会を得られていないこと、試合勘が鈍っているというネガティブな要素がありながらも勝利のためにハリルは本田を選出した。

そして4大リーグの最下位に位置するセリエAの中位チームで全く出場機会が得られていない選手が、何百人といる他の日本国籍を持つプロサッカー選手より日本代表というチームに価値をもたらすという判断をされたわけである。

ディフェンスラインは大きな変更は無かったが、前線はサウジアラビア戦に続き大幅なメンバー変更が行われていた為、ポジティブな面でもネガティブな面でも、これまでの日本代表からの大きな変化を感じさせてくれるものであった。

ここから、ざっくりと取り上げていきます。

前線の関係性では、大迫はあまり良さを発揮できなかった

前線の関係性では、大迫はあまり良さを発揮できなかった

ケルンでのモデストとのコンビネーションを見ている分、UAE戦では本領発揮とは言えない出来だったと思う。

日本代表では久保や原口より、清武の様な動き回ってボールに触りながら攻撃を作る選手を近くに置いて連携で崩すプレーでこそ輝く選手だと感じた。

前回のサウジアラビアほど清武にフリーでボールを持たせてくれるチームはそうそうないと思うので、大迫・清武の縦関係は非常に楽しみな組み合わせである。(清武のプレーの質がセビージャ移籍直後のレベルまで戻るのであればだが)

また、前を向く意識が戻ってきた近頃の香川とも合いそうだと感じていたけど、UAE戦ではインサイドハーフでの出場なうえに終始ボールを裁くプレーに徹していた為、トップ下で出場したときの連携を楽しみにしていたが、怪我のため離脱してしまい残念な結果に。

リーグでのプレーでも正しくケルンの攻撃を柱であり、CL出場圏を狙うチームとしても厳しい結果になってっしまったが、日本代表でも今後は大迫を軸に攻撃が作られていくことになると思う。

右サイドの久保は大活躍で新エースへ

右サイドの久保は大活躍で新エースへ

世代交代というキーワードの中心にいるのが、右サイドハーフのポジションを争う本田と久保であることは間違いないだろう。

久保は今回の2連戦で2G3Aと大活躍。攻撃面で最も活躍が期待できる選手であることは疑いようがない。

しかし、本田が中心であった分だけ、日本代表のサッカーに与える影響が最も大きいポジションになる。

これまでの日本代表における右サイドの役割(というか本田のプレースタイル)は、前線でボールをキープし押上げを待つプレーや、中央に移動してのゲームメイクであり、日本代表にとってメインとなる攻撃の形だった。

久保は決定力の高さとスピード感溢れるドリブルを武器にする、よりストライカーに近いプレースタイルの選手。

つまり、今後も日本代表がパスワークで崩す攻撃を重視するのならば、本田に代わって久保が右サイドに入る分、前線でのボールの収まり所と、ゲームメークをができる選手が必要になると感じた。(もちろん現状のコンディションの本田がそのまま右サイドハーフに入ればこれまでのサッカーができるというわけではない)

長きに渡り、中央のバイタルエリアを味方同士で潰し合うことが多かった日本代表が、整理され縦に早い攻撃を作れているのは、間違いなく久保の活躍によるものだと思う。

サイドバックの酒井宏樹もUAE戦での久保へのアシストをはじめ、久保へのボールの出し方は非常に良いプレーをしていた。

しかし、左サイドの原口と比べて久保は高い位置をキープし続けるため酒井宏樹としては守備の負担は大きかったが、しっかりこなせていたと思う。

タイ戦の左サイドは終始かみ合っていなかった

タイ戦の左サイドは終始かみ合っていなかった

UAE戦の長友は試合を通して低めのポジションを取り、対面する選手をしっかり抑えられていた。

しかし、タイ戦では長友の中途半端なポジショニングにより相手に左サイドを狙われることも多く、原口はずいぶん長い距離をフォローに走る羽目になったうえに、ほとんどいい形でボールを触れなかった。

使われるタイプのの長友は、ボールを持ててサイドバックを使うのがうまい選手が同サイドにいてくれないと活かせないのは、ずっと変わらない。左サイドのバランスは見直す必要があると思う。

肝心のボランチに関しては後述。

結局はチームとして最高の結果を残すためにベストに近い選択をしていくしかないということで、個々の選手の能力やコンディションが高い選手を並べて良いサッカーができるわけではないことを改めて感じさせる試合になったと思う。

キャプテン長谷部の穴埋め 、そしてボランチの代役不足

長谷部

UAE戦ではこれまで基本フォーメーション4-5-1ではなく4-1-2-3に変更。

山口蛍をアンカーにおいて、香川と今野がセンターハーフを務めていた。

このフォーメーションの変更は長谷部の不在が大きいな要因だったと思う。

代役を務める選手が見当たらない中で、矛先を向けられた今野が所属のガンバ大阪で活躍している役割を、そのまま活かすためのフォーメーションが4-1-2-3である。

タイ戦では酒井高徳と山口蛍のダブルボランチで香川がトップ下に入る形になった。

酒井高徳の試合は今年に入ってからも2‐3試合見ているが、所属チームでボランチでありキャプテンマークも託される選手だが、中盤でゲームを作るというよりは、ロングボールが行き来することが多い。

相方の山口もゲームメーカーというタイプではなく、更にボランチとしては代表初出場という状況で、試合のコントロールまで期待するのは酷だったと思う。

むしろ、個人の展開力以上にチーム全体でビルドアップの形を詰めていく必要を感じた。

タイのプレスが予想以上に質の高いものだったのかもしれないが、両サイドバックのポジショニングや、裏を狙う動きに比重を置きすぎたように感じる両ウイングなど、 意思疎通もバラバラで、バランスを取る意識の高い選手がいなかったため間延びしてしまっていたように、 ボランチ以外のポジションでも気の利くプレーができる選手やこの力でボールを前線に運べる選手がとても少ないメンバーだったと思う。

日本サッカーの歴史上でも稀なゲームコントロールに秀でた遠藤や、キャプテン長谷部はもちろん、ここ数年の日本代表では怪我で長期離脱中の内田や、多少厳しい状態でボールを受けても強引にキープできていた怪我前の本田、ある程度スペースがあればフィジカルとスピードでボールを前に運んでくれていた長友などがいたから、全線で崩しきれないことはあっても今回ほどビルドアップで苦しむことが少なかったのだと改めて感じた。

単純に代役を挙げようとしても、日本代表では長年遠藤・長谷部がダブルボランチで固定されており、山口蛍以外に日本代表選で戦えるだけのパフォーマンスを示せてこれた選手が一人もいない。

今回、久しぶりに選出されたにもかかわらず怪我によりUAE戦前に離脱してしまった高萩は残念だったが、怪我がなければタイ戦では十分に出場の機会があったと思う。

同じく、久しぶりに日本代表に選出された倉田(レンタルではあったがジェフで活躍してくれた選手なので特に期待している)や、今野、倉田と同じくガンバ大阪で急成長中の井手口、オランダヘーレンフェーンの小林祐希、リーガ挑戦中の柴崎など本番までにどんな選手が急成長して滑り込んでくるかわからないが、同時にこれからの日本代表を語るうえで最も不安な点であり楽しみでもある。

日本代表の司令塔として君臨し続けた遠藤だって、もともとパスセンスやゲームをコントロールする能力は日本屈指の選手であったが、長期にわたり確固たる地位を築くことが出来たのはオシムからの指導の影響が大きかったと思っている。

「(代表監督が)オシムさんになって、監督に要求されることは最低限やって、かつそれ以上のプラス面を出していかないといけないと言うことに気が付いた。それが実は監督が望んでいるものだっていうこと。そのことに目覚めさせてくれたオシムさんには感謝しているし、すごく影響を受けた。オシムさんに出会って、俺のサッカーのレベルすげぇ上がったと思う。」

(Sportiva2009年2月号より)

選手の成長は所属チームでの日々の積み重ねがメインになるとは思うが、遠藤のように代表で大きな変化のきっかけに出会う選手もいるだろう。

今回の最優秀予選二連戦は結果として、所属チームで絶好調の若手(という年齢でもないが)久保と、試合に出れていないうえに久しぶりに日本のゴールを守る機会を得た川島、久しぶりに代表に選出されたベテラン今野がMOM級の活躍をしたのだから、世代交代うんぬんで盛り上がる日本サッカー界にとっては、選手・そしてサッカーの見方を変える大きなきっかけになるのかもしれない。

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KKK

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代表中二病社会学会
WEB関係の仕事と並行し、若者の人間行動学に関する仕事をしています。 他、新宿にてイベントBARを三店舗運営。中野にてシェアハウスを運営。