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西野監督の覚悟とポーランド戦終盤のボール回し

西野監督の覚悟とポーランド戦終盤のボール回しについて

西野監督

さて、ワールドカップもグループリーグが終わり、決勝トーナメントが始まりました。

決勝トーナメント初戦フランスVSアルゼンチンを見ながら、会社の同僚や友人との会話でも話題になっている、日本代表のワールドカップグループリーグ最終戦ポーランド戦での終盤に起こったボール回しについて思うことを書いてみようかと思います。

結論から言えば、ルールに乗っ取ったもので、グループリーグとは三戦の勝敗を合計した結果が求められているわけで何ら問題ない。

むしろ、すごく西野さんの立場で考えてみるとかつてないほどゾクゾクした試合だったなあと。

そして、結果的にカードの枚数で勝ち上がるというのは誇れることだろうとも思います。

セネガル戦を見返してみると、イライラした相手選手に肘打ちを受けるシーンもあり、実際にカードも出ているんですよね。

そこで冷静に対処し、無駄なカードを受けなかったという差が明暗を分けたと思うと感慨深い。

しかし、普段サッカーを見ない人たちが批判的に捉えてしまうのも仕方がないし、理解はできる。

実際に僕の周りでも批判的とは言わなくとも「つまらない試合だった」という声も少なくありません。

また、他の国の人々がネガティブに捉えることには驚かない。彼らからすれば他国のサッカーについてであり、話題に上げやすいからだ。

自国の代表として応援しているわけではないし、面白い試合が見れればよいというスタンスの人が大半でしょう。

もちろん、自国が同じ状況だったら受け入れるだけの話で、そもそもそこまで興味もないのだろうし、僕が他国の試合でああいう展開になったら同じことを思うだろうなと。

ただ、日本人の中で批判しているのは少し悲しくも思う。といっても、基本的には批判的に捉えている人は普段サッカーを見ない人たちなのかなとは思います。

そもそも日本代表が勝ち上がることを応援していたというよりかは、単純に面白い試合を見たかった方々も大勢いるだろうし、そういう人たちにとっては負けてもいいから刺激的なものを見せろという考えになるのは自然なことだろう。

なぜ西野監督はあの決断を下せたのか

そこまでにカウンターでのピンチは何度もあったし、日本代表はリズムが悪い中で闘っていた。また、槙野がカードをもらっていたら…などフェアプレイポイントの差をひっくり返ることも可能性として大いにあった。

あの決断のあとでセネガルがコロンビアに追いついたら日本は敗退するわけで、敗退するパターンの中で最も最悪な展開を決断したことになる。

三戦全敗が大方の予想の中で、二戦を終えた時点で一勝一分けという予想外の出来なわけで、グループリーグ最終戦も全力で戦いしっかりと突破しておけば、それだけで凱旋帰国となる状況。それくらいハードルは低かったはずなのに保身なんて全くなく、ベスト16を勝ちに行く為の博打に出た。日本サッカーがベスト16進出したからOKなんて思っていないからこその決断で、背負っている責任と野心、何より覚悟がすごいなあと純粋に感動してしまう。というか、狂っているよ。

でも、ワールドカップって、きっとそういうところなんだなあとドキドキした。

そういうところを、少し考えてもらえば賛否両論の中にもリスペクトは生まれるよなあと。

西野監督の勇気を思うとグループリーグでのこれまでの試合の中でも、ある意味で一番ゾクゾクした試合でもあった。

ちなみに、決勝トーナメント初戦で戦うベルギーもイングランドも、予選突破を確定させているため、ほとんどの選手を温存することが予想されていました。実際にフィールドプレイヤー10人中9人を温存しているわけです。

議論すべきはスタメンの大幅入れ替え

問題はどちらかというと、6人も変更したメンバーでの試合内容なんじゃないかなと。結果論としては、終盤のあの時間帯の前に勝てていれば終盤の消極的なボール回しも起こらなかった。

もともと負けても進出できる可能性は高かったと考えていたのならば納得だが、セネガル対コロンビア戦の状況次第では引き分けも必要な状況で、いくら何でも6人は驚いた。

せめて2-3人くらいかなと。原口→武藤、大迫→岡崎、長谷部→山口ぐらいで考えていた。

乾も負担が大きいポジションだし変えれる選手がいれば変えたいが、原口が右で固定されている以上いないよねと。

ただ、そもそも選手を温存するってケースは全く想定していないメンバー選考なんだよなと。

なので、こんな感じになってしまうのかなと。

日本代表ポーランド戦のスタメン

ポーランド戦の評価

ポーランド戦評価

第三戦のポーランド戦は、引き分け以上で自力突破可能、負けても決勝トーナメント進出の可能性が残っていた中で大幅にメンバーを入れ替えて挑むという驚きの決断し、フォーメーションも4-4-2と変更。

相手右サイドバックに宇佐美と長友でチャンスを作り、武藤と岡崎がゴール前に飛び込む。

前線からのプレスは武藤と岡崎で追っていく形。香川、乾、原口という二列目のヨーロッパで質の高いプレスを学んだ選手がいない分、ここまでの2戦に比べると連動性は見られなかったし、距離感も離れ過ぎていた。

とは言え、スピードとビルドアップに問題があるポーランドDF相手にはある程度は嵌っていたと思う。

実際にチャンスは作れていたし、前線からのプレスでボールを奪い決定機も作れた。

しかし、試合全体を見た時にどうかというと、コロンビア、セネガル相手に優勢に闘えた要因である「前線からの連動したプレス」と「攻守の切り替えの早さ」はずいぶんと質が下がってしまった。コロンビア、セネガルよりも展開力のない相手にほとんどいい形でボールを奪えるシーンがなかった。

また、攻撃でもサポートもなく、コンビネーションでの崩しはほとんど見られなく、乾や香川がハーフスペースでボールを受けリズムを作っていたのと比べると、単調な攻撃が目立ち、前半途中からは劣勢な状況が続いた。

ポーランド対セネガル、ポーランド対コロンビアを見ていて思ったのは、間違いなくグループリーグで最弱なチームだということ。日本代表はスタメンで挑んでいればしっかりと勝ち切れるレベルのチームだったと思う。特に足元の技術がいまいちで、DFも二列目の選手が間で受けるプレイに対するケアが薄かったので、日本代表としては相性のいい相手だったと思う。

たらればだが、二戦目がセネガルでなくポーランドだったらかなりの高確率で勝ち点3を取れただろうし、その時点で決勝トーナメント進出を確定させ、三戦目は大きなかけをする必要もなく主力選手を休められただろうなと思ってしまうほどポーランドは良くなかった。

これまでのベースとなる戦い方をするのであれば香川か乾はマストだった

香川はマストだった

今の日本代表のサッカーでは走り切れることと、プレスの判断に秀でていることがマストで、本田にしても宇佐美にしても、スタメンで活躍する選手というよりかは切り札として活躍する選手という立ち位置。

今の日本のサッカーは香川と大迫のムービングの質が高く、大迫、乾が裏を狙えているからこそ、柴崎が比較的空いた状態で前線に質のいいボールを出せていた。なんといっても香川は細かなポジションチェンジを繰り返し、狭いエリアでボールを収めて相手を引き付けることが出来ていた。そして、相方の長谷部は柴崎と良い距離感を保ちながら、危険なエリアをケアしてくれているので柴崎は良い形でボールを持つことができた。この二人がいたからこそ柴崎は輝けたといっても過言ではない。

ディフェンスにしても、大迫、香川、乾が前線でプレスのスイッチを入れて、チーム全体で連動出来ていたからこそボールをいい形で奪えていて、それが日本の生命線でもあった。

そういう意味では、岡崎にはスイッチを入れるプレイを期待していただろうし、武藤はミッションをこなすに十分な能力を備えているだろう。高徳も慣れないポジションながらも必要な能力は備えていることは示せていた。しかし、宇佐美はどうなのよと。

個人的にはせめて香川(もしくは乾)は出しておくべきだったんじゃないのかと。

4-4-2で前線二人に追わせて、ディフェンスライン、ボランチというボールの出しどころを抑えて、かつ2トップの縦への動きを活かしたい、右サイドに追い込んでW酒井でボールを奪取する。それにより、左サイドの宇佐美の守備面が攻撃を作り、宇佐美、長友でチャンスを作る。

やりたいことはこんな感じかなとは思うけど、岡崎のコンディションが影響していたのかもしれないけど、ボールを引き出す動きが少なく前半途中からは攻撃が作れない状況に。プレスの面だけでなく最低限の攻撃の形を作るうえでも香川(もしくは乾)は必要だったのかなと。

後半から大迫、乾を出しても他選手の動きも減っていてあまり効果的なカードの切り方にはならなかった。

岡崎の交代に関しては予期せぬものだったかもしれないが、得点が必要になる展開でどういうカードの切り方を想定していたのかはスタメンが発表されたときに気になった。

選手ごとに連戦での疲労回復のペースには差があるので、香川を出場させるのは厳しい状況だったのかもしれないし、コンディションに問題が出始めていたのかもしれないので、あくまで「これまでのベースとなる戦い方をするのであれば」という話だが、香川は必要なピースだったという印象を持ちました。そうすると下記のようなフォーメーションに。

日本代表ポーランド戦

もちろんこのメンバーなら、香川をトップ下において岡崎と武藤をワントップと右サイドハーフでもいいだろう。

西野監督としては、選手選考時は本田や宇佐美を軸に考えていたと思う。だが、結果を出したのはパラグアイ戦のサッカーが中心になっており、香川、乾というプレスのかけ方をヨーロッパでしっかり学んでいる選手であり、彼らの連動したプレス、攻守の切り替えの早さ、スペースメイク、そして献身性が強みになっているわけで、控えの選手がそのまま代役を務めるだけの戦力は日本にない。結果的には高徳をMFで起用するまでに…。

直前に監督交代となり、メンバー選考まで一試合のみという中では難しいことだったは思うし、グループ内でのパワーバランスを考えれば劣勢時に切れるカードを増やしたいという判断になる。

そこら辺の、そもそもの立ち位置という時点で難しいということ。その中で途中から決勝トーナメントを見据えた状況になったら博打を打つしかないよなと。そして、仮にターンオーバーを考えたととしても今の日本のサッカーを実行できる選手がいないのではないかという問題。

それでもドーハの悲劇があり、そして今回の判断がある。日本サッカーは前進できているのだろうか。

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KKK

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代表中二病社会学会
WEB関係の仕事と並行し、若者の人間行動学に関する仕事をしています。 他、新宿にてイベントBARを三店舗運営。中野にてシェアハウスを運営。