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アニメ「異能バトルは日常系のなかで」と中二病の姿勢

第三話の名言・名シーン

霧龍・ヘルドカイザ・ルシ・ファースト「なぁ、安藤、お前は中二病をどう捉える?」

安藤「俺は..自分に嘘をつかないことだと思います。」

霧龍・ヘルドカイザ・ルシ・ファースト「いい答えだ。けど少し抽象的だな。中二病ってのは種類はあれど根源は一緒だ。始まりは自己否定。自分や自分の生きる世界が気に入らないから、違う自分や虚構の設定を生み出す。しかしその感情は自己肯定への強烈な渇望でもある。違う自分になりたいのと同じくらい、今の自分を認めて欲しい。自己肯定と自己否定の解決されない矛盾が中二病の根源だ。」

異能バトル

中二病に対してのこの解釈を受けて、これは中二病社会学会としては取り上げないわけにはいかないと思った。

タイトルと設定からして、ハーレムものの魔法系バトルアニメかと思いスルーしていたが、とんでもない掘り出し物だった。

第一話で異能に目覚め、このままバトルものになっていくのかと思いきや、中二病を軸に日常系ハーレム展開が続いていくという、確かにタイトルのまんまなのだが、多くの視聴者の予測を裏切る展開だったのではないだろうか。

まず、抽象的だと指摘されるが、主人公が天然の中二病という設定ではなく、中二病に対しての解釈をしっかり持っているということが、キャラクター設定として面白いと思い、その解釈に対して先輩に位置する人物が彼の見解を断言的に言い切るという関係性は、非現実的な会話の内容ながら、構図としてはなかなか現実的なやり取りではないかと感じた。

霧龍の返答は僕の見解とも一致する。

中二病は細かくカテゴライズしていけば、かなりの量になるが、根底にあるのは「現実の世界・自分」に対して満足していない、物足りなく思っている、という部分は共通している。

そして、中二病の魅力の一つとして、現実の自分・世界に対する不満に対して、ネガティブな感情に留まらず、想像力で自己肯定に持っていけるところだ。

確かに、あくまで想像での自分・世界であり、そこに凝り固まってしまっては(一部の突き抜けた才能を除けば)現実世界で居場所を作ることが出来なくなってしまうケースが多い。

しかし、現実的に中学生・高校生に現実世界で自己肯定に結びつく経験を得るしかないというのは、あまりにハードルが高すぎる。

そのときに、中二病の生み出す世界が、彼らの救済の役割を担う。

これは、中学二年生に限らず、形を変えてどの年代も同じ心理活動を日々行っている。

会社で結果が出ないとき「上司のやり方じゃあ・・」「タイミングが合えば・・」「他の会社に転職すれば・・」というようなネガティブなものから、「努力すればもっと出来るはずだ」「諦めなければ達成する」といポジティブなものも根源は中二病と変わらない。

しかし、これらは中二病患者の想像する現実の社会とかけ離れた設定と違い、現実社会の中でのものであり、中二病とはカテゴライズされないが、根底にある精神の救済措置・自我の安定装置という役割では同じものである。

主人公の「(中二病とは)自分に嘘をつかないことだと思います」という解釈は、彼の理想・願望に対して、実に真っ直ぐな返答であり、そこで霧龍が精神の救済措置という中二病の本質的な価値を付け加えるというのは、居場所があり現実逃避する必要のない高校生という年頃の主人公にとっては最高に価値のある言葉だったのではないか。

それは、アニメの中の主人公を通して、視聴者の一部にとっても価値ある中二病に対しての解釈であった。

対して第七話での鳩子の長台詞に籠められた思い

中二病な主人公のことが好きなのに、彼の感覚が理解して上げられない幼馴染の鳩子の指摘が物凄くて、世界中の中二病が気絶した第七話での長台詞。

鳩子

鳩子「分かんない!分っかんないよ!寿くんの言ってる事は一つも分かんないよ!寿くんがいいって言ってるもの何がいいのか分かんないよ!分かんない!私には分かんないの!ブラッティって何がカッコいいの血なんてイヤだよ痛いだけだよ黒のどこがカッコいいの!?
クレイジーのどこがいいのか分かんない、罪深いってなんなの罪があるののなのがいいの犯罪者がカッコいいのそもそも混沌てなに!カオスだからなんなの闇ってなに暗ければいいの正義と悪だとなんで悪がいいの何で悪いほうがいいの悪いから悪じゃないの 右腕がうずくと何でカッコいいの自分の力が制御できない感じがたまらないって何それただの間抜けな人じゃん!ちゃんと制御できるほうがカッコいいよ立派だよ普段は力を隠していると何が凄いのそんなのタダの手抜きだよ!
隠したりせず全力で取り組む人の方がカッコいいよどうして二つ名とか異名とかいろいろをつけるのいっぱい呼び名があったて分かりにくいだけじゃん!
(中略)
中途半端に説明されてもちっとも分からないんだよニーチェとかゲーテの言葉引用しないでよ!知らない人の言葉使われても何が言いたいのか全然わかんないんだよ自分の言葉で語ってよお願いだから私に分かる事話してよ!厨二ってなんなの厨二ってどういうことなの分かんない分かんない分かんない分かんない分かんなーい!寿くんの言う事は昔から何一つこれっぽちも分かんないんだよ!」

第三話の霧龍との会話の中で「違う自分になりたいのと同じくらい、今の自分を認めて欲しい。」という発言があったが、中二病的な発言・行動により社会との間に出来てしまった壁に対してならば、それも中二病的想像力・設定で自己肯定に持っていけるところだが、身近にいる大切な存在を苦しめてしまっているとなると、辛いものがあるだろう。

大抵の人は中二病が進みすぎる前に社会の中で、時には潰され、傷付き、現実との距離感を知ることになる。

肝心なのは、いつか中二病が薄れていくときに、中二病期を誇りに思えるかどうか。

これが出来ないと、裏中二病・高二病に発展するだけで、中二病期に培った想像力という財産を・知識を無にしてしまう。

【感想】異能バトルは日常形のなかで

これは、2014秋アニメの隠れた名作アニメであり、「中二病でも恋がしたい」に並び、中二病アニメとしての誠実な姿勢を打ち出した素晴らしい作品であり、灯代と千冬ちゃんが可愛かったのでハーレム系としてもなかなかでした。

灯代・千冬

ライトノベル(望公太)が原作なのだが、僕は読んでいないのであくまでアニメを見ての感想です。

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KKK

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代表中二病社会学会
WEB関係の仕事と並行し、若者の人間行動学に関する仕事をしています。 他、新宿にてイベントBARを三店舗運営。中野にてシェアハウスを運営。

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