中学生が中二病になれなくなった時代

Home » サッカー » ワールドカップアジア最終予選イラク戦の選手起用と交代枠について

ワールドカップアジア最終予選イラク戦の選手起用と交代枠について

ワールドカップアジア最終予選イラク戦の選手起用について

2017イラク戦スタメン

スタメンが発表されたとき、とにかく驚いた。

山口蛍の怪我もあり、親善試合のシリア戦で高いパフォーマンスを見せた井手口の起用はわかるが、代表歴の浅い遠藤航のスタメン起用。

そして、原口がトップ下での起用となったからだ。

これまでの日本代表での起用方法からすると下記のような並びが視聴者も違和感なく見れたのだと思う。

原口・本田・久保

しかし、先日のイラク戦では下記の並びになり、驚いた方も多かったのではないだろうか。

久保・原口・本田

①中央から激しくプレスをかけれる選手を置きたかった。かつ、カウンター時にスピードに乗ってドリブルでボールを運べてシュートまで行ける選手を置きたかった。

②ゲームメイクができる選手が必要。ゲームメイクを任せられる選手は本田くらいだが、トップ下に本田を置くと中央から激しくプレスにいけない。

③左サイドにはボール運べて得点力の高い選手を置きたかった。乾は体調も万全でなく連携面での不安もあるので、イラクの足が止まると思われる時間帯に切り札で使いたい。

というわけで、左から久保・原口・本田になったのではないかなと。

単純に本田を中央に置いていても、ボールを収めてゲームを作ることは難しかったと思うし、前線からのプレスも難しかったと思います。

こう考えると、起用法について理解はできたが、左サイドでの久保・長友のコンビは連携面で大きな課題を見せたし、トップ下・原口のところでのロストやパス精度の低さも目立ってしまったので結果的にはいまいち嵌らなかった印象を受けました。

香川がいれば、左から原口・香川・久保(もしくは本田)で考えられたのだろうけど、イラク戦前の親善試合で離脱してしまったことにより大きなプラン変更が必要になってしまった。

香川でなくても清武のコンディションが高く選出できる状況ならまた変わったのだろうなと。

言ってみれば、ハリルのビジョンとしてトップ下のポジションで必要な選手香川が離脱したことにより、原口が代役として抜擢されたということだと思う。(そもそも香川がいれば4-1-2-3を選択していただろう)

交代について

2017イラク戦大迫

交代枠については、

①原口→倉田(後半途中を想定)
②久保→乾(終盤で引き分けor負けている状況で切り札として想定)
②本田→浅野(終盤でリードしている状態で全体の運動量が下がっている時間帯に活性化させる状況を想定)
③けがなどでの交代枠として想定

のようなイメージだったのかなと。

しかし実際は、接触による井手口の怪我、更に酒井宏樹、久保の負傷が続き

結果論となるが、原口の交代を待って、異変のあった酒井宏樹、久保の状態を判断してから交代枠を使うべきだったことになる。

①井手口→今野
②酒井宏樹→酒井高徳
③久保→乾

が、これは本当に結果論で原口交代時には既にかなり運動量が落ちていたのでプレスがかけれていなかったので、ボール保持率を上げるという意図もあり、あのタイミングで原口→倉田の交代を踏み切るのは理解できる。

ただ、試合を通して中盤でのプレスが連動してなったことが大きな問題だったこともあり、倉田の起用により大きく改善されたかというと…。(ジェフサポとして唯一ジェフに在籍していた日本代表選手である倉田を超絶応援していたのだけど)

反対に疑問を感じる采配もあった。

選手の配置を見た時にまず思ったのは右に本田を置く時点でサイドバックの酒井宏樹はサポートのため上下運動を強いられることになり疲労が溜まることは想定できたはずで、コンディションも良くなかったのだから交代枠としてある程度計算していなかったのかなと。

そして、左サイドは連携面の不安があり、親善試合のシリア戦でコンディションが悪いことが明らかだったにも関わらず久保を起用したのはフィニッシャーとしての期待しているのではないかと思い、久保をある程度攻撃に専念させて、長友はオーバーラップを控えさせるのかなと思ったがそういう印象は受けなかった。

むしろ、これまで以上に久保が守備に翻弄されていたことには違和感を覚えた。

連動しないプレスと中盤の距離感

2017イラク戦失点

中盤の距離感に関しては試合を通して多くの問題を生み出した。

中盤が広がり過ぎてしまったことにより、プレスもかけ辛くなり体力の消耗も激しかったし、失点シーンも吉田と川島の連携ミスが決定的ではあったが、バイタルエリアに入られるまでプレスをかわされ続けていたことにより招いたものだった。

ボランチ二人が代表でのプレー経験の少ない遠藤・井手口(今野)であり、トップ下も普段左サイドで出場している原口。

今野がセンターハーフで活躍したUAE戦でも香川がバランスを取っていたから成り立っていたので、今回の中盤の構成(原口・遠藤・井手口)では連携面に課題が出るのは仕方のないことだったと思う。

これまでのハリルジャパンを見ても連動したプレスで縦に早いショートカウンターを戦術の軸にしたいと思うのだが、そのために組織的な守備を構築できるかというとやはり厳しいだろうなと。

同じくプレスからのショートカウンターを狙うジェフ千葉の(レベルも違うし、戦術もかなり極端だが)サッカーでも町田が出場するかしないでプレスの質が変わるように、結局日本代表レベルでも香川や長谷部などの経験豊富で戦術理解度が高い選手がいないとこうなってっしまうのだというのは残念。

中盤の連動性のなさと距離感の問題は攻撃面でも大きな問題になったと思う。

前線で大迫や本田が味方との距離感が悪く、サポートに入る前にボールを奪われてしまう場面が目立った。

最近の代表選で結果の残していた久保にしても、一人でボールを持って得点までしてしまうプレーヤーではないわけで(ヘントでの試合をすべて見ているわけではないが)、今の代表での役割を考えるとフィニッシャーとして活かすべきだと思うのだが、これまでの試合のように良い形でボールを持てたシーンは非常に少なかった。

ハリルのやりたいことはとてもシンプルで分かりやすく、個人的には今回の起用にしても納得できるのだがシステムの構築という意味ではかなりぬるい印象。。

本戦での戦いを考えるとザック時代の「自分たちのサッカー」よりも期待ができるが、アジア予選ではやはりポゼッション優先のサッカーがリスクが低くて安心できるというもどかしさを感じるばかりです。

The following two tabs change content below.
KKK

KKK

代表中二病社会学会
WEB制作・マーケティングの仕事と並行し、東京都大田区蒲田で「KAKUMEI Burger&Cafe」という中二病感全開の店名のグルメバーガー屋をやってます。