海外で高評価の岡崎慎司が日本代表では落選濃厚な理由について
海外での評価や実績で考えれば香川に並び日本人選手としては最高峰の舞台で活躍を見せているが、所属するレスターでのプレーが特殊すぎることもあり、BIG3(本田・香川・岡崎)の中で代表に選ばれない可能性があるとすれば岡崎が一番怪しいのではないかと危惧している。
しっかりとブロックを作り、バーディーという圧倒的なスピードと高い決定力を持つ選手を中心にした速攻が基本と考えられており、バーディの相方として、前線と中盤の間にできるスペースを巧みに消し、相手マークを引き付ける囮の動きや中盤に下がっての繋ぎ役も出来る岡崎はベストチョイスになる選手。(毎回のようにレスターの新監督は岡崎以外のFWに可能性を感じてしまうようだが…最終的には岡崎を評価することになる)
だが、残念ながら日本代表にはバーディのような選手がいない。
当然、クラブとは違う活躍が求められる。
岡崎=ワントップが出来ない選手、ということではない。
海外初挑戦のシュツットガルト時代は左ウィングでの起用がメインだったが、移籍したマインツではワントップでプレーし、2シーズンで27得点という結果も残している。
しかし、現状の日本代表におけるワントップの役割をアバウトに蹴りこまれたボールを保持するポジションと考えるのであれば、大迫が群を抜いていて、控えとしても本田や興梠(浦和レッズ)などの方が適任だろう。
ワントップで大迫の代役として考えた時には、ポストプレイを求められるワントップではプレイスタイルが合わなすぎるし、オプションとして0トップ(偽9番)のような形を構築するのであれば岡崎は適任だと思うが、この短期間での構築は現実的ではないように思える。
もしくはウィングのポジションはどうだろうか?
特に右ウィングは代表でも多くのサポーターが納得できていないポジションだろう。
久保は不用意なロストが多いし、守備面でも穴になることが多く、一時期の決定力はクラブでも鳴りを潜めている。
浅野もスピードは魅力だが、ボールを持っても仕掛けることが出来ず、裏を狙う動きをしても中盤からボールが出てこない。
代表での岡崎と言えば、右ウィングのイメージが強いのではないかと思う。
ザックジャパン時代の左サイドで香川・長友・本田・遠藤でリズムを作りながら崩し、右サイドから中に侵入してくる岡崎で仕留めるという形が彼にとってベストのシステムだった。
しかし、本田という前線でボールを納める選手がいて、香川のような前線で動きまわってリズムを作りチャンスメイクをする選手がいてこその選手だったので、この二人が外れる(つまりは中盤でのボール支配をし押し込むスタイルからの脱却)時点で岡崎の代表での役割というのはリセットされたことになる。
ハリルがウィングの選手に期待するのは積極的な前線からのプレスを前提にボールを運べる能力、長い距離を走り相手の裏を狙えるスピードだろう。
この3つを選手選考のベースに、対戦相手や前線のバランスを見て、両サイドの選手を変えていくのだと思うが、
ボールを運ぶ能力という点では、左サイドの原口や乾、右サイドでは久保
長い距離を超スピードで走るという点では右サイドの浅野
を評価しているように感じる。
岡崎は裏を狙う動きと瞬発力では代表随一だが決して長い距離の速さを持った選手ではないし、自分から仕掛ける能力を評価されている選手でもない。
ハリルジャパンの足りないものを考えた時、サイドでの打開力は非常に重要であり、同時に現代表に一番足りていない個所であり、切り札として個人での打開力を持つ選手がサプライズ枠になるのではないかと予想している。
ただ、それはやはり岡崎ではなく、伊東(柏レイソル)なり、サプライズという意味では奥川、堂安なのかなあと…。
能力・国内外での実績や評価を考えれば、絶対的な中心選手でありながら現代表のシステムではBIG3の中で一番居場所がない選手なのかもしれない。
個人的には2トップのような形(あえて表記するのであればでは4-4-1-1の2列目になるのだろうけど)で試される可能性に期待はしている。
つまりはレスターでのポジションに近いわけだけど、そうなると香川や、柴崎、森岡、本田との争いになるのかなと…。
サイドからの崩しがメインにも関わらず、なんとかクロスが上がった時のゴール前での人数不足と迫力不足、そしてワントップが孤立する状況での潤滑油の働き、この二点において岡崎がカギになる選手であるのは間違いないし、この点に関しては世界でもトップクラスだろう。
どう組み込んでいくのかとても楽しみではある。

KKK

最新記事 by KKK (全て見る)
- グルメバーガー屋開業から1年経ちますが、私はもう… - 2020年11月18日
- 久しぶりのゾイドに感じたあんなことやこんなこと - 2019年10月27日
- 2019冬の日本人選手の欧州移籍一覧(随時更新) - 2019年8月14日
- ついに、僕のハンバーガー屋が始まる - 2019年5月18日
- 香川真司、スペインではなくベシクタシュ(トルコ)移籍の経緯 - 2019年2月1日